ごまブロ

「楽しい」と「美味しい」をテーマに。お酒と音楽、旅とアートをこよなく愛するアラサーちゃん。

天気の子感想

「100%晴れ女の陽菜ちゃんが有名になり、悪い大人に研究対象として誘拐された!あんな奴らに渡してたまるか!陽菜ちゃんは俺が助ける!」的な物語だと思っていたのですが、全然違う話だった。

 

※以下ガッツリネタバレあり

 

tenkinoko.com

君の名は世界のために、天気の子は自分達だけのために 

「君の名は。」の恋と、大義のために全力を尽くす2人の物語。

 

一方、「天気の子」は、主人公たちは一貫して自分達のことだけ考えて、生きている。

それについて身勝手だという批判もあるようだけど、それはあまりに冷たい意見だと思う。主人公達は15歳とまだ幼く、社会的に弱くて、守ってくれる親もおらず、大人や社会の一方的な都合で、望まない枠組みの中に押し込められそうになってしまう。そんな世界から全力で逃げ、自分達のために生きるのが「天気の子」だ。

 

「君の名は。」の瀧と三葉は、世界を救うヒーローだけど、「天気の子」の穂高と陽菜は周囲を犯罪行為に巻き込んでしまう、いわば悪。

 

でもその正しくなさこそが、人間くさくてとてもよかった。

映画や小説など、芸術や物語は正しくなくていいのです。

 

雨が降り続き、沈没した東京

私は神道的な話や、地球は気候によって形を変え、生命は巡る(ライオンキング?)思想なので、ラストの結末はかなり好みだった。

 

瀧くんのおばあちゃんが「昔はこの辺りは海だったのよ。元に戻っただけ」って言ってたのがすごくよかったなあ。

 

危うい子供たちに出会った時、大人としてどうすればいいのか

主人たちに感情移入はあまりできなくて、どちらかというと夏美やケンスケ(名前うろ覚え…)目線で見てしまっていたのだけれど、ああいった危うげな子供たちに出会ってしまった時、私たち大人はどうしてあげればいいのだろう。

 

普通に考えたら関りを持たないようにするだろう。でもひょんな拍子で、例えば劇中のケンスケのように、危ないところを咄嗟に助けてあげたとして、その後事情を知って、放っておくことはできるだろうか。

 

私の中の社会常識的な部分では、「警察に引き渡そう」、「親御さんに連絡をしよう」と思うけど、中学生の頃の危うげな自分だったら、それだけはしないで欲しいと思うだろうなあ。

 

思春期は正しさだけでは括れなくて、抑えられなくて、少しの暴走を許容してくれる社会や誰かが必要なのではないかと思う。 

 

もしいつか、「穂高や陽菜のような子供に出会ってしまったら」、「自分の子供が穂高や陽菜のようになってしまったら」、私たち大人はどうしてあげるべきなのだろう。

 

できれば心に寄り添い、望む方向に導いてあげたいものです。

 

瀧と三葉について

今回劇中で、「君の名は。」の瀧と三葉が出演してたけど、時間軸的にはどこなんだろう。

 

瀧は高校の制服着てたし、三葉は社会人として働いていた。三葉が高卒社会人一年目、だとしたら辻褄は合うけど、そうしたら「君の名は。」のラストは実現不可だよね。東京は雨が降り続き、沈没してしまっているのだから。

 

パラレルワールド的な感じなのかな?よく分からないけど、瀧と三葉には太陽の下で再会してもらいたいのでそこだけ気になりました!

 

総評  「天気の子」は新海誠の新ジャンル

SNS場で評判を見た時は、「気持ち悪い」「00年代のエロゲ」「セカイ系」などの感想が目立ち、正直よく分からないし、合わないかもなあと思ったのですが、全然気持ち悪くなかったし、大体の人が普通に楽しめると思います。

 

「言の葉の庭」「秒速五センチメートル」っぽいという感想も多かったけど、私はあまりそういう印象も受けなかったです。

 

前2作は主人公達が受け身で、感傷に浸ってる印象が強いけど、天気の子らは逞しいです。自分で未来切り拓きてる!全然別物だと思うなー。

 

雨が上がり、晴れ渡っていく東京のシーンは、本当に美しくて、見てるこちらの心も明るく晴れ渡るようなので、それだけでも大スクリーンで見る価値はあると思います。

 

雑多ですが感想でした!